マイカーローンには仮審査と本審査という2つの審査段階があり、それぞれが異なる役割を担っています。仮審査は、申込者が提供した情報をもとに借入可能性を探る予備的な確認作業です。一方の本審査では、提出書類や信用情報機関のデータを用いて、融資の最終判断を下します。
仮審査の主な目的は、ローン契約の実現可能性を早期に見極めることにあります。申込者の年収や勤続年数、希望借入額といった基本情報から、融資の見込みを判定するのです。これに対し本審査は、実際に融資を実行しても問題ないかを多角的に検証する作業といえるでしょう。
金融機関にとっては貸し倒れリスクを回避するための最終関門であり、申込者にとっては正式な契約への最後のステップとなります。

仮審査では申告内容をベースにした機械的な判定が中心ですが、本審査では人の目による精密な確認が加わります。申告した勤務先に実際に在籍しているかを電話で確かめる在籍確認も、本審査の段階で実施されることが一般的です。
八十二銀行の解説によれば、本審査では個人信用情報機関への照会が必須となり、過去の金融取引履歴まで詳細に調査されます。
| 項目 | 仮審査 | 本審査 |
|---|---|---|
| 判定方法 | 自己申告情報による簡易判定 | 提出書類と信用情報の総合評価 |
| 必要書類 | 基本的に不要(金融機関により異なる) | 本人確認書類・収入証明書・資金使途確認書類など |
| 所要期間 | 最短即日~1週間程度 | 1~2週間程度 |
| 信用情報照会 | 実施しない場合が多い | 必ず実施 |
審査の厳格さが異なるため、仮審査を通過しても本審査で否決されるケースは珍しくありません。仮審査はあくまで暫定的な合格通知であり、本審査で初めて正式な融資承認が得られるという認識が重要です。
仮審査と本審査では、金融機関が確認する情報の質と量に明確な違いがあります。仮審査では職業・年収・借入希望額・返済期間といった基本項目を申告するだけで手続きが進みます。書類提出が不要な金融機関も多く、インターネット上で簡単に申し込める手軽さが特徴です。
本審査に進むと、確認項目は一気に増加します。提出された収入証明書や本人確認書類をもとに、申告内容との整合性が厳密にチェックされるのです。
特に重要なのが信用情報機関への照会で、CIC・JICC・KSCといった機関に記録された過去のローン利用履歴や返済状況が精査されます。
これらの情報を総合的に評価し、返済能力に問題がないかを最終判断します。仮審査の段階では見えなかった申込者の金融履歴が、本審査で初めて明らかになるわけです。そのため、仮審査通過後に信用情報の問題が発覚すれば、本審査で不承認となる可能性が高まります。

審査を受けた事実が信用情報機関に記録されるかどうかも、仮審査と本審査の重要な相違点です。
仮審査では審査を受けた履歴は残りますが、承認・否認といった結果までは記録されません。複数の金融機関で仮審査を受けても、その結果が将来の審査に直接的な悪影響を及ぼすことは少ないのです。
対照的に、本審査では審査の申し込み履歴だけでなく、承認・否認の結果も信用情報機関に登録されます。短期間に複数の本審査で否認されると、その記録が「返済能力に問題がある」というシグナルとして他の金融機関に共有されてしまいます。
その結果、次回以降の審査が不利になる可能性が生じるのです。
| 記録される内容 | 仮審査 | 本審査 |
|---|---|---|
| 申し込み履歴 | ○(6か月間保存) | ○(6か月間保存) |
| 審査結果 | × | ○(承認・否認が記録される) |
| 複数申し込みの影響 | 比較的小さい | 大きい(否認歴が残ると不利) |
このような違いから、複数の金融機関を比較検討したい場合は、まず仮審査を活用するのが賢明です。仮審査の結果を見て借入可能性が高い金融機関を絞り込み、最終的に1~2社の本審査に申し込むという戦略が、信用情報へのダメージを最小限に抑える方法といえるでしょう。
仮審査を通過した後も、すぐに融資が実行されるわけではありません。仮審査の結果には通常3~6か月程度の有効期限が設けられており、その期間内に本審査へ進む必要があります。
ただし、有効期間中であっても転職や収入減少など申込者の状況に変化があれば、本審査で再評価されることになります。
本審査に合格すると、いよいよ契約手続きへと進みます。最近ではインターネット上で契約を完結できる金融機関が増えており、来店不要で手続きを終えられるケースも珍しくありません。
契約完了後は、指定した口座に融資金額が振り込まれ、その資金で車両代金を支払う流れとなります。
仮審査の段階では融資条件はあくまで暫定的なものですが、本審査を経て正式な金利や返済期間が確定します。この最終条件をもとに返済計画を立て直し、無理のない返済が可能かを改めて検討することが大切です。
仮審査と本審査という二段階のプロセスは、申込者にとっても金融機関にとっても、慎重な判断を下すための重要な仕組みといえるでしょう。