マイカーローンの返済が1日でも遅れると、翌日から遅延損害金が発生します。奨学金やクレジットカードと違い、マイカーローンは猶予がありません。この遅延損害金は通常の金利よりも高く設定されており、多くの場合で年14~20%の範囲内です。
具体的な金額を計算してみましょう。ローン残高200万円、延滞期間30日、年利14%の場合、1日あたり約767円の遅延損害金が発生し、1ヶ月で約23,010円になります。
短期間でも無視できない金額になるため、早めの返済が欠かせません。
| ローン残高 | 延滞期間 | 年利 | 遅延損害金 |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 15日 | 18% | 約7,397円 |
| 200万円 | 30日 | 14% | 約23,010円 |
| 300万円 | 7日 | 20% | 約11,508円 |
元本が大きいほど、また延滞期間が長いほど、遅延損害金は膨らみます。現時点で返済が厳しい状況なら、さらに追加の支払いが生じることで返済がより困難になってしまいます。

返済の遅れが2ヶ月を超えると、信用情報機関に延滞情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト入り」と呼ばれる状態です。この記録は他のローン審査やクレジットカードの作成、さらには賃貸契約にまで影響します。
また、延滞が3ヶ月以上続くと、車の引き上げが実行されます。ローン契約中の車の所有権はローン会社にあるため、返済が滞ると車を回収され、売却によって残債に充当されます。
仮に車の売却金額がローン残高を下回る場合、差額分は別途請求されます。
連帯保証人を立てている場合、延滞が続くと保証人にも連絡が入ります。本人に返済能力がなければ、保証人に一括返済が求められるため、家族や知人に迷惑をかけることになります。
返済が難しいと感じたら、まずはローン会社に相談しましょう。事前に連絡することで、返済期日の調整や返済プランの見直しに応じてもらえる可能性があります。
重要なのは、滞納してから連絡するのではなく、支払いが困難だと分かった時点で早めに行動することです。
また、リスケジュール(返済期間の延長)やローンの借り換えも選択肢です。返済期間を延ばせば月々の負担額を減らせますし、より低金利のローンに借り換えれば総支払額を抑えられます。
ただし、これらの手続きは滞納していない状態で行う必要があります。
| 対処法 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| ローン会社への相談 | 返済期日の調整 | できるだけ早めに連絡 |
| リスケジュール | 月々の負担軽減 | 総返済額は増加 |
| 借り換え | 金利の削減 | 滞納前に実施 |
| 車の売却 | ローン残債の解消 | 移動手段の確保が必要 |
どうしても返済が難しい場合、車を売却してローンを完済するという判断も必要になります。
売却金額がローン残高を上回れば差額を受け取れますし、下回る場合でも差額分だけの返済で済むため、遅延損害金や信用情報への影響を最小限に抑えられます。

そもそも延滞を起こさないためには、ローンを組む段階で慎重な計画が必要です。借入金額は無理のない範囲に設定し、毎月の返済額だけでなく、ガソリン代や駐車場代、自動車税、車検費用などの維持費も含めて考えましょう。
金利は0.1%でも低い方が有利です。銀行ローンはディーラーローンより金利が低い傾向にありますが、審査は厳しくなります。
自己資金に余裕があれば、頭金を多めに用意することで元本を減らし、延滞時のリスクも軽減できます。
延滞はたった1日でもペナルティが生じるため、軽く考えてはいけません。
しかし、早めに対処すれば選択肢は広がります。返済が厳しいと感じたら、まずはローン会社に連絡し、現実的な解決策を探りましょう。信用情報や財産を守るためにも、迅速な行動が何より大切です。