配偶者名義でマイカーローンを組むことは可能です。しかし、単独で組む場合とは異なる点がいくつか存在します。
収入の安定性や審査条件を満たしているかが大切になりますし、名義人と使用者が異なることで発生する手続き上の複雑さも考慮する必要があります。
ローン契約者と車検証上の所有者は基本的に同一になりますが、ディーラーローンを利用した場合には所有者がディーラーや信販会社になるケースもあります。
また、配偶者がローンを組んで自分が主に車を使う場合、車検証上の使用者を自分にすることができます。この場合、税金の支払い義務や車検を受ける義務は使用者が負うことになるため注意しましょう。
| ローンの種類 | 所有者 | 使用者 | ローン契約者 |
|---|---|---|---|
| 銀行マイカーローン | 購入者本人 | 購入者本人 | 購入者本人 |
| ディーラーローン | ディーラー・信販会社 | 購入者本人 | 購入者本人 |
| 配偶者名義ローン | 配偶者 | 実際の利用者 | 配偶者 |

配偶者名義でローンを組む際、もう一方の配偶者が連帯保証人になることがあります。連帯保証人は単なる保証人よりも重い責任を負います。債権者は契約者を飛ばして連帯保証人に直接全額請求できますし、これを拒否することはできません。
収入が不安定な場合や、審査で返済能力に不安があると判断された場合には、配偶者が連帯保証人として審査対象になります。連帯保証人にも契約者と同様の審査が行われるため、安定した収入と良好な信用情報が求められます。
年金受給者や年収が低い場合には連帯保証人として認められない可能性があるため、世帯全体の収入状況を把握しておきましょう。
配偶者名義でローンを組む場合、審査では配偶者の収入や信用情報が重視されます。一般的に年収200万円以上が審査通過の目安とされていますが、借入額に対して収入が見合っているかも重要です。
正社員や公務員は収入の安定性が高いと評価されやすく、勤続年数が3年以上あると審査に有利に働きます。
一方で、派遣労働やフリーランス、パート・アルバイトといった雇用形態の場合には収入が不安定と判断されるケースもあります。専業主婦や無職の方は収入がないため、単独での審査通過は難しくなります。
この場合、もう一方の配偶者がローンを組み、自分が使用者として車に乗る方法を検討しましょう。
| 項目 | 審査に通りやすい条件 | 審査に通りにくい条件 |
|---|---|---|
| 年収 | 200万円以上 | 200万円未満 |
| 雇用形態 | 正社員・公務員 | パート・アルバイト・派遣 |
| 勤続年数 | 3年以上 | 1年未満 |
| 他の借入 | なし、または少額 | 多額のローンがある |

配偶者名義でローンを組むことには、収入の安定しない方でも車に乗れる可能性が広がるというメリットがあります。
学生や専業主婦、フリーターなどローンの審査に通りにくい方でも、収入が安定している配偶者名義でローンを組み、自分を使用者として登録すれば車に乗ることができます。
しかし、使用者と所有者が異なると手続きが複雑になるというデメリットもあります。車を売却する際には所有者の同意が必要ですし、売却手続きも基本的に所有者本人でなければできません。
さらに、ローン契約者が所有権を使用者に譲り渡す場合、車の下取り価格が110万円を超えると贈与税が発生する点にも注意が必要です。
配偶者名義でローンを組んだ場合、自動車保険の加入はどうなるのでしょうか。自賠責保険は車の所有者が加入する保険のため、名義は基本的に所有者と同一になります。ディーラーローンで所有者が信販会社になっている場合は、使用者が自賠責保険に加入します。
任意保険については、所有者が配偶者の場合でも加入することができます。配偶者や同居の親族が所有者であれば問題なく加入できますが、別居の親族や友人が所有者の場合は加入できないケースがあります。
記名被保険者を実際に車を運転する人に設定し、運転者の範囲を適切に設定することで補償を受けられます。
配偶者名義でマイカーローンを組む際には、名義と使用者の違いを理解し、審査条件や責任の所在を明確にしておくことが大切です。税金の支払い義務や車検の責任、保険加入の条件など、細かい部分まで確認してから契約を進めましょう。