車を購入する際に多くの人が利用するのが自動車ローンですが、選択肢は大きく分けて「マイカーローン」と「ディーラーローン」の2種類に分けられます。
同じローンでありながら金利水準や契約条件には明確な違いがあり、選び方次第で数十万円の差が生まれることも珍しくありません。

最も大きな違いは金利水準にあります。金融機関が提供するマイカーローンは年1~4%程度で設定されていることが多く、低金利を重視する人にとって魅力的な選択肢です。
一方で、ディーラーローンは信販会社との提携による融資となるため、年3~9%と比較的高めの金利設定となっています。
この数値だけを見ると「数パーセントの差」と感じる方もいるかもしれませんが、実際の返済総額で考えると影響は極めて大きくなります。借入金額や返済期間が大きくなるほど、わずかな金利差が最終的な負担に響いてくるのです。
金利3%のマイカーローンと金利7%のディーラーローンで300万円を5年間借り入れた場合、利息差額は約33万円にもなります。
この差は決して無視できる金額ではなく、オプション装備や諸費用にも影響を与えるほどの金額と言えるでしょう。
| 項目 | マイカーローン(金利3%) | ディーラーローン(金利7%) |
|---|---|---|
| 借入金額 | 300万円 | 300万円 |
| 毎月の支払額 | 約5万3,906円 | 約5万9,403円 |
| 総返済額 | 約323万円 | 約356万円 |
| 利息支払額 | 約23万円 | 約56万円 |
借入金額が増えたり、返済期間が長くなったりすればその差はさらに広がります。例えば高級車や大型SUVなどで借入額が大きくなるケースでは、支払総額の差が50万円を超えることもあり得るわけです。

金利だけでなく、その他の条件面でも両者には違いがあります。
車の所有権は特に重要なポイントで、マイカーローンでは契約時点から購入者本人に帰属するのに対し、ディーラーローンでは完済まで所有権がディーラーや信販会社にあるため、完済後に名義変更の手続きが必要です。
審査のハードルという点では、ディーラーローンの方が通りやすいという一般的な傾向があります。
担保となる車両の価値も審査に影響するため、銀行のマイカーローン審査に通らなかった場合でもディーラーローンなら融資が受けられるケースも少なくありません。
総返済額を最小限に抑えたいのであれば、金利の低いマイカーローンが断然有利です。数週間の審査期間や書類準備の手間を許容できるなら、低金利のメリットは非常に大きく、長期的な視点で見れば賢明な選択と言えます。
一方で、すぐに車が必要な場合や手続きの簡便さを重視するなら、ディーラーローンも選択肢に入ってきます。
購入手続きと同時にローン契約が完了するため、時間的な制約がある状況では実用的です。ただし、あとからマイカーローンへの借り換えを検討するという方法もあることを覚えておくと良いでしょう。
金利以外の条件面、例えば保証料の負担や繰上げ返済の自由度なども含めて総合的に判断することが重要です。
また、同じマイカーローンでも金融機関によって金利水準が異なるため、複数の銀行で見積もりを取って比較検討することをおすすめします。最終的には自分のライフスタイルや資金計画に合った選択をすることが、快適なカーライフにつながります。