車の購入を検討している方の中には、新車と中古車でマイカーローンの条件が大きく変わるのではと心配されている方もいるでしょう。結論から言えば、多くの銀行系マイカーローンでは、新車でも中古車でも同じ金利が適用されます。
例えば福岡銀行やりそな銀行など、主要な金融機関の多くが新車・中古車で同一の金利設定を採用しているのです。
審査基準についても基本的には変わりません。年収や勤続年数、信用情報といった項目が重視されるのは新車でも中古車でも同じです。借り入れ額と年収のバランスから返済能力を判断されるため、車種ではなく「いくら借りるか」が審査のポイントになります。

ただし、すべての金融機関が同条件というわけではありません。一部のディーラー系ローンでは、中古車の方が金利を高く設定しているところもあります。
これは中古車の価値が年式や状態によって変動しやすく、担保としての評価が新車より低くなるためです。
| ローンの種類 | 新車の金利相場 | 中古車の金利相場 |
|---|---|---|
| 銀行系マイカーローン | 年1~4% | 年1~4%(同一金利が多い) |
| ディーラー系ローン | 年3~7% | 年4~8%(やや高めの傾向) |
| 自社ローン | 金利なし(手数料10~20%) | 金利なし(手数料10~20%) |
このように、銀行系マイカーローンを選べば新車と中古車で条件の差はほとんどないと考えて問題ありません。
新車と同じ条件でローンが組めるとはいえ、中古車ならではの注意点もあります。購入後のリスクや返済計画の立て方が新車とは異なるため、慎重な判断が求められます。
新車なら10年ローンを組むことも珍しくありませんが、中古車の場合は5年以内が望ましいとされています。なぜなら、中古車は新車に比べて故障のリスクが高く、数年後には買い替えを検討する可能性が高いからです。
返済期間を長く設定してしまうと、乗り換えたいと思ったタイミングでまだローンが残っているという事態になりかねません。
また、中古車は経年による価値の下落が早く、数年後の残価がほとんどないこともあります。残価設定ローンを利用したくても、そもそも残価が設定できないケースも珍しくないのです。
マイカーローンを利用する際、金利だけを見て判断するのは危険です。事務手数料や保証料といった諸費用が別途かかる場合があるためです。
特に保証料については、金利に含まれているか別途必要かで総返済額が大きく変わります。一見金利が低く見えても、保証料が別途かかるなら実質的な負担は高くなってしまいます。
新車でも中古車でも、マイカーローンを選ぶ際には以下のポイントを確認しましょう。特に中古車の場合は、短期間での完済を前提に条件を比較することが大切です。
マイカーローンには固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は借入時から完済まで金利が変わらないため、返済計画が立てやすいのが魅力です。
一方、変動金利は市場の動向に応じて金利が変動するため、現在のように低金利の時期なら総返済額を抑えられます。
中古車ローンは3~5年程度の短期返済が一般的なので、金利変動のリスクは比較的小さいと言えます。そのため、変動金利を選んで利息負担を抑える方が賢明かもしれません。ただし、将来的に金利が上昇するリスクも考慮に入れて判断する必要があります。
ボーナスなどでまとまった資金ができたときに前倒しで返済できれば、利息の負担を大幅に減らせます。ただし、繰り上げ返済に対応していないローンや、高額な手数料がかかるローンもあるため事前確認が欠かせません。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 繰り上げ返済の可否 | 一部返済・全額返済のどちらが可能か |
| 手数料の有無 | Web手続きなら無料になるケースもある |
| 回数制限 | 年に何回まで可能かを確認 |
中古車は新車よりも早く買い替える可能性が高いため、一括繰り上げ返済ができるかどうかは特に重要です。

新車でも中古車でも、マイカーローンの審査で見られるポイントは変わりません。ただし、借入額が適切かどうかが重要な判断材料になるため、中古車だからといって必ずしも審査が有利になるわけではないのです。
一般的に、無担保ローンの借入総額は年収の40~50%が上限とされています。例えば年収400万円の方なら、他に借入がない場合は最大200万円程度まで借りられる可能性があります。
すでに他のローンがある場合は、その分を差し引いた金額が目安です。
また、年間返済額は年収の25~35%以内に収めるのが望ましいとされています。この範囲を超えると生活に支障をきたす恐れがあるため、審査でも厳しく見られます。
過去にクレジットカードの支払いを延滞したことがあったり、携帯電話の料金を滞納したりした経験がある方は注意が必要です。
こうした情報は信用情報機関に記録されており、マイカーローンの審査時にチェックされます。債務整理の記録は5年間、自己破産の記録は10年間残ると言われています。
不安な方は、CICやJICCといった信用情報機関に自分の情報を照会することもできます。手数料は500~1,000円程度で、インターネットや郵送で確認できます。
マイカーローンの条件がほぼ同じなら、新車と中古車のどちらを選ぶかは予算や用途次第です。同じ金利で借りられるなら、月々の返済額を抑えたい方は中古車を、長く乗り続けたい方は新車を選ぶのが自然な流れでしょう。
中古車の最大のメリットは、新車よりも安く購入できることです。登録済未使用車なら、新車同然のコンディションで大幅な値引きが期待できます。
ローンの借入額が少なければ審査にも通りやすくなりますし、利息の負担も軽くなります。
一方で、故障のリスクが高い点はデメリットです。購入後すぐに修理が必要になれば、ローン返済と修理費用が重なって家計を圧迫する恐れもあります。また、車両の状態によっては保証が十分でないこともあるため、購入前の入念なチェックが欠かせません。
中古車を購入する際は、ローン完済後にどれくらい乗り続けるつもりかも考えておきましょう。
3年ローンで購入した中古車に10年乗り続けるつもりなら問題ありませんが、5年で乗り換えるつもりなのに7年ローンを組んでしまうと、次の車を買うときにまだ返済が残っている状態になります。
銀行系マイカーローンなら、返済中でも車の所有権は自分にあるため売却自体は可能です。しかし、車を手放しても返済義務は消えないため、二重の負担を抱えることになりかねません。
新車と中古車で条件がほぼ同じだからこそ、どのローンを選ぶかが重要になります。金融機関ごとに金利や諸費用が異なるため、複数のローンを比較して最適なものを見つけましょう。
多くの金融機関が公式サイトで返済シミュレーションを提供しています。借入額・返済期間・金利を入力するだけで、月々の返済額や総返済額を簡単に確認できます。
実際に申し込む前にシミュレーションを使って比較すれば、自分に合ったローンが見えてきます。
ただし、複数の金融機関に同時に申し込むのは避けましょう。申込履歴は信用情報に残るため、短期間に何社も申し込むと「お金に困っている」と判断されて審査に不利になることがあります。
すでに給与振込や住宅ローンで利用している銀行があるなら、そこでマイカーローンを組むと金利が優遇されることがあります。
例えば、通常年2.5%のところが年2.0%に下がるといった具合です。たった0.5%の差でも、借入額が大きければ総返済額に数万円の差が出ます。
キャンペーン期間中はさらに金利が下がることもあるため、タイミングを見計らって申し込むのも一つの手です。
新車と中古車でマイカーローンの条件が大きく変わることはありません。特に銀行系マイカーローンなら、同じ金利で借りられるケースが大半です。ただし、中古車は故障リスクや買い替えサイクルを考慮して、返済期間を短めに設定する必要があります。
ローンを組む際は、金利だけでなく諸費用や繰り上げ返済の条件も含めて総合的に判断しましょう。年収と借入額のバランスを保ち、無理のない返済計画を立てることが、満足のいく車選びにつながります。
複数のローンをシミュレーションで比較し、自分のライフスタイルに合った最適な選択をしてください。