マイカーローンは、自動車の購入資金を分割で支払うための専用ローンです。新車や中古車の購入費用だけでなく、カーナビやETC車載機などの関連商品、さらには車検費用や修理代にも利用できます。
銀行やディーラー、信販会社など複数の借入先があり、それぞれ金利や審査基準が異なるため、自分に合った選択肢を見つけることが重要です。
借入先によって返済総額に大きな差が生まれるため、慎重に比較検討する必要があります。返済期間は一般的に半年から10年程度の範囲で設定できますが、期間が長くなるほど利息の負担も増える点に注意しましょう。

銀行や信用金庫が提供するマイカーローンは、金利の低さが最大の魅力です。
全国銀行協会によると、銀行のマイカーローンはディーラー提携ローンよりも低金利なケースが多く、その銀行に口座を持っていたり住宅ローンを利用していたりすると、さらに金利優遇を受けられることがあります。
また、車の所有権が購入者本人にあるため、返済途中でも売却や乗り換えがしやすいメリットがあります。
一方で審査は比較的厳格で、申し込みから融資実行までに1週間以上かかることが一般的です。契約書や見積書を銀行に持参する手間もありますが、近年はWeb完結で申し込めるネット銀行も増えています。
ディーラーローンは、自動車メーカーや販売店が信販会社と提携して提供するローンです。車の購入手続きと同時に申し込めるため手間が少なく、審査結果も比較的早く分かります。
車種を限定した低金利キャンペーンが実施されることもあり、タイミング次第ではお得に利用できる可能性があります。
ただし、ローン完済まで車の所有者は信販会社やディーラーになるため、返済中は自由に売却や廃車ができません。また、銀行系ローンと比べると金利は高めに設定される傾向があります。
労働金庫やJAバンクも低金利でマイカーローンを提供しています。JAバンクのマイカーローンは、組合員の方なら特に有利な金利で借り入れができ、インターネットから24時間365日申し込みが可能です。
一般の方でも利用できる場合がありますが、組合員と金利条件が異なることがあります。
勤務先の福利厚生として提携ローンが用意されているケースもあるため、まずは総務部などに確認してみるとよいでしょう。給与受け取り口座のある銀行で特別金利が適用されることもあります。
マイカーローン選びで最も重視すべきは金利です。金利の違いは返済総額に直接影響し、数年間の返済期間では数十万円の差になることも珍しくありません。低金利であればあるほど、月々の返済額も総返済額も抑えられます。
多くのマイカーローンでは「年○%~○%」という幅のある金利表示がされていますが、実際に適用される金利は審査結果によって決まります。比較する際は、上限金利に注目することが重要です。
金利を比較する際には、表示されている金利の上限値で判断しましょう。特に200万円程度以下の借り入れでは、上限金利が適用される可能性が高いためです。
例えば、金利が年1.5%~3.5%と表示されている場合、実際には3.5%が適用されるケースが多いと考えておくべきです。
下限金利だけを見て判断すると、実際の返済額が想定より高くなる恐れがあります。複数のローンを比較する際は、すべて上限金利で計算して検討することをおすすめします。
| 借入額 | 金利3%(5年) | 金利6%(5年) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 約216万円 | 約233万円 | 約17万円 |
| 300万円 | 約325万円 | 約350万円 | 約25万円 |
上記のように、同じ借入額でも金利が3%違うだけで、5年間の返済では20万円前後の差が生まれます。返済期間が長くなればさらに差は広がるため、少しでも低い金利を選ぶことが経済的負担の軽減につながります。
多くの金融機関では、特定の条件を満たすと金利優遇を受けられます。住宅ローンの利用者向け、給与振込口座の指定者向け、エコカー購入者向けなど、さまざまな優遇制度が用意されています。
銀行によってはWeb申込みで金利が下がることもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
また、期間限定のキャンペーン金利を実施している金融機関もあります。購入時期を調整できるなら、こうしたタイミングを狙うのも賢い選択です。

マイカーローンを利用するには必ず審査を通過する必要があります。審査では年収、勤続年数、雇用形態、信用情報、他のローンの借入状況などが総合的にチェックされます。
これらの要素から、金融機関が「この人は確実に返済できるか」を判断するためです。
審査基準は金融機関によって異なり、一般的に銀行系は厳格で、ディーラーローンは比較的通りやすい傾向があります。ただし、どのローンでも返済能力の確認は行われるため、無理のない借入計画を立てることが前提となります。
これらの項目に問題がなければ、審査に通る可能性は高まります。逆に、複数の借入がある、勤続年数が短い、過去に延滞があるといった場合は、審査が厳しくなる傾向があります。
審査の通過率を高めるためには、事前準備が有効です。頭金を用意すれば借入額を減らせるため、審査において有利に働きます。また、他のローンがある場合は、可能な範囲で完済しておくことで返済能力の評価が上がります。
信用情報に不安がある場合は、保証人を立てることで審査に通りやすくなるケースもあります。ただし、保証人には安定した収入のある方を選ぶ必要があります。
本審査の前に仮審査を受けることで、借入可能かどうかの目安を知ることができます。仮審査では簡易的な項目で判断されるため、短時間で結果が分かります。
ただし、仮審査に通っても本審査で落ちることはあるため、あくまで参考程度に考えましょう。
仮審査は複数の金融機関で受けることも可能です。比較検討する際に活用すると、自分に合ったローンを見つけやすくなります。
マイカーローンを組む際は、無理のない返済計画を立てることが何より大切です。月々の返済額が家計を圧迫すると、生活全体に影響が出てしまいます。借入額、返済期間、金利の3つの要素をバランスよく設定し、長期的な視点で考える必要があります。
多くの金融機関では、Webサイト上で返済シミュレーションができるツールを提供しています。具体的な数字を入力して、月々の返済額や総返済額を事前に確認しておくことをおすすめします。
一般的に、年間のローン返済額は年収の25%~30%以内に抑えるのが理想とされています。例えば年収400万円の方なら、年間100万円~120万円、月々約8万円~10万円が上限の目安です。
ただし、住宅ローンや他の借入がある場合は、すべての返済額を合計して考える必要があります。
車の維持費(保険料、駐車場代、ガソリン代、車検費用など)も月々発生するため、ローン返済額だけでなくトータルの支出を見積もることが重要です。
| 返済期間 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 短期(1~3年) | 利息総額が少ない、早く完済できる | 月々の返済額が高い |
| 中期(4~6年) | 返済額と利息のバランスがよい | 車の価値が下がる前に完済しにくい |
| 長期(7~10年) | 月々の返済額が低い | 利息総額が増える、車の寿命に注意 |
返済期間を短くすれば利息は減りますが、月々の負担が大きくなります。逆に長くすれば月々は楽になりますが、総返済額は増えます。自分の収入と支出のバランスを考えて、無理なく続けられる期間を選びましょう。
余裕がある月には繰上返済を活用すると、利息を減らして総返済額を抑えられます。多くの金融機関では、インターネットから手続きすれば繰上返済手数料が無料になります。ボーナス時などにまとめて返済する方法も有効です。
ただし、繰上返済に対応していない、または手数料が高い金融機関もあるため、契約前に確認しておくことをおすすめします。将来的に繰上返済を検討している方は、柔軟に対応できるローンを選びましょう。